こんにちは、「債務整理ドットコム」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
借金でお悩みの方の法律的な解決方法のことを一般的に債務整理といい、その中でも1番有名な手続きが自己破産ではないでしょうか?
世間ではかなり悪い印象がある自己破産ですが、本当のところはどうなんでしょうか?
インターネット上には、自己破産についてのウソが溢れていますので、わたしが執筆している「債務整理ドットコム」のブログを読んでいただき正しい情報を知ることはとても大切なことです。
今回の記事では、自己破産への誤解やメリットとデメリットについて、司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
ぜひ、今回の記事を読んでいただき、自己破産についての正しい知識や自己破産のメリットやデメリットを身に付けていただきたいと思います。
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自己破産とは、借金の支払い義務がすべて免除される手続きです。
自己破産とは、仕事の給料が減ったことや失業で収入が減ったり、高齢者の介護や離婚といった生活の変化により、借金を返済できなくなってしまった方が裁判所に申し立てをして借金自体を帳消しにしてもらう手続きです。
まず、自己破産のよくある誤解について解説いたします。
- 自己破産をすると選挙権がなくなる
- 自己破産をすると年金は受け取れない
- 自己破産は戸籍や住民票に載ってしまう
- 自己破産をすると生活保護が受給できない
- 自己破産をすると会社を解雇される
- 自己破産をすると海外旅行に行けない
- 自己破産をすると引っ越しができない
- 自己破産をすると賃貸住宅の契約ができない
- 自己破産はすべての財産が没収される
上記で書いたことは基本的に間違った情報になります。
もちろん自己破産には、いくつかのデメリットもありますが実際にはそれほど生活に影響するものはなく、とにかく借金が無くなるという大きなメリットがあります。
自己破産のメリットを司法書士が解説します。
自己破産を申し立てて裁判所で支払いが不可能であると認められれば、借金の支払い義務が免除され、すべての借金を支払う必要がなくなります。
借金がなくなることで、借金の苦しみから解放されますし、人生の再スタートができます。
裁判所で定める基準を超えない財産(99万円以下の現金や20万円以下の預貯金など)は手元に残すことができます。
また、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、パソコン、携帯電話といった生活必需品まで処分されてしまうと、その後の生活に支障が出ることがありますので、原則として処分の対象にはなりません。
自己破産のデメリットを司法書士が解説します。
1番のデメリットは価値のある財産を所有していれば処分の対象になってしまいます。
自己破産で借金の支払義務を免除してもらうためには、その代わりに所有している財産があれば処分する必要があります。
以下の財産が自己破産で処分の対象になる財産になります。
- 99万円以上の現金、価値が20万円以上の自動車やバイク
- 自動車のローンやクレジットカードの分割払いで購入した商品
- 生命保険等の解約払戻金
- 退職金の8分の1相当額が20万円以上の場合
- もちろん土地や建物などの不動産
自己破産をすると信用情報機関に、5年から10年の間は事故情報として記録が残りますので、その期間はクレジットカードやローンの利用が制限されます。
自己破産をすると官報という国が発行している新聞のようなものに、名前や住所などが掲載されます。
ただし、官報は普通の書店などでは取り扱っていませんので、一般の方がこれを見ることはまずないと言えます。
自己破産の申し立てをして破産開始の決定により、人の財産にかかわる資格(弁護士・公認会計士・生命保険募集人・宅地建物取引主任者・警備員など)について手続中は資格を使用した仕事ができなくなります。
免責の許可が確定すると資格制限は解除されます。
自己破産の手続きで制限される資格及び職業の一覧です。
弁護士、司法修習生、検察審査員、弁理士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士、通関士、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱主任者、公証人、簡易郵便局長、商工会の役員、証券取引外務員、商品投資販売業、証券業、投資顧問業、貸金業、割賦販売あっせん業者、質屋、生命保険募集人、損害保険代理店、一般労働者派遣事業者、旅行業者、警備員、警備業者、建設業、建築士事務所開設者、風俗営業を営もうとする者、風俗営業の営業所管理者、一般廃棄物処理業者、卸売業者、調教師、騎手、代理人、後見人、後見監督人、保佐人、補助人、遺言執行者 など、とても多くありますが該当している方は多くはないと思います。医師、看護師などは対象に入っていません。
自己破産の免責の対象外になる借金があることにも注意が必要です。
税金や損害賠償金などは免除されません。
これを法律用語で「非免責債権」といいます。
以下が免責されない債権の一覧です。
- 税金や社会保険料
- 罰金や科料
- 横領などの賠償金
- 養育費などの支払い請求権
- 不法行為による損害賠償請求権
- 使用人の給料などの請求権
- 故意に債権者名簿に記載しなかった請求権
税金や社会保険料、罰金、養育費などは自己破産でも免除されませんので注意が必要になります。
自己破産をした後の生活は大丈夫?
自己破産したら人生の終わりだよ!世間ではそんな思いをお持ちの方も多くいらっしゃると思います。
しかし「自己破産のよくある誤解について解説いたします。」でもいくつかご介しましたが、実際にはそんなことはありません。
自己破産で会社を解雇されることはありませんし、スマホやパソコンが処分されることもありません。また戸籍や住民票に記載されることもありませんし年金の受給への影響もありません。
基本的に自己破産をして借金が免除された後は、借金がなくなったこと以外ではローンやクレジットの利用が一定の期間できないことだけが以前と変わったことになります。
自己破産できる条件は、借金の額にかかわらず支払い不能な場合です!
借金で悩んでいる方は、ご自身が自己破産できるかどうかが気になっている方もいらっしゃると思います。
ここでは、どういった場合に自己破産ができるのか、自己破産ができない場合はどんなケースなのかを解説いたします。
自己破産をするための条件は、「債務者が支払い不能にあるとき」と法律で規定されています。
生活状況や資産状況は人それぞれですので、借金がいくらだったら自己破産ができるという決まりはありません。
借金が1,000万円あったとしても、支払い不能でなければ自己破産はできませんし、無職で収入がなく自身の資力では返済ができない場合は借金が100万円でも支払い不能ということになり自己破産することは可能です。
自己破産の免責不許可事由について解説します。
自己破産で借金を免除してもらう免責手続では、借金をしてしまった理由を問われることになります。
例えば、会社の業績が悪くなり収入が下がってしまい生活費が不足して借金が膨らんでしまった、という事情であれば免責はされやすくなります。
しかし、ギャンブルが原因で作ってしまった借金ということになると免責されにくい、もしくは免責されないこともあります。このような事情を「免責不許可事由」といいます。
以下が主な免責不許可事由になります。
- ギャンブル行為(競馬やパチンコなど)
- 換金行為(クレジットで商品を購入し、すぐに転売する行為)
- 名義貸し(他人のためにカードを作って使わせる行為)
- 株やFX、先物取引など
- 財産の不当な処分や隠匿
- 偏頗弁済(一部の債権者のみを優遇して返済する行為)
- 虚偽の債権者一覧表の提出
- 詐欺的な借り入れ
上記のような事情で作った借金は、免責不許可事由に当たりますが絶対に免責されないわけではありません。
競馬やパチンコなどのギャンブルで借金をしてしまった方は、自己破産をしても免責にならないと思われていることが多いようですが、本人が反省していること、今後ギャンブルを止めること、自己破産の手続きに真摯に取り組んで今後の生活の改善をする姿勢がみられれば裁判所も必ず免責を認めてくれます。
自己破産と他の債務整理の手続きとの違いを解説します。
借金問題の法律的な解決方法には、自己破産だけではなく任意整理や個人再生という手続きがあります。
任意整理や個人再生では月々の返済額を減らすことはできても今後も返済自体をゼロにすることは出来ません。
任意整理や個人再生の手続き後の減額した返済額さえ難しい場合には借金をゼロにする自己破産の手続きをとる必要があります。
自己破産は、他の手続きでは解決ができない場合の最後の手段だと考えていいと思います。
自己破産と任意整理の手続きの違い
任意整理は、裁判所を通さずに債権者である貸金業者と弁護士や司法書士が直接交渉して返済の利息をカットしてもらい月々の支払額を減額して借金の完済を目指す手続きです。
任意整理は裁判所を通しませんので会社や友人だけでなく同居している家族にも知られることなく借金の解決ができます。
また、自動車や住宅ローン、保証人が付いている債務などを除いて借金の整理をすることができるといった柔軟性がある手続きになります。
ただし、そんな柔軟性がある任意整理ですが元金を大きく減額できるケースは少ないので、借金の総額が大きい場合には月々の返済額が大きくなり任意整理での解決は難しいこともあります。
自己破産と個人再生の手続きの違い
個人再生は、裁判所に申立てを行ない借金を圧縮(原則として5分の1)して約3年から5年の分割で借金の完済を目指す手続きです。
個人再生は自己破産のように借金の全額が免除になるわけではありませんが、自己破産のように資格制限やギャンブルで作った借金は免責されないといったこともありません。
また、個人再生には住宅ローンの特例という制度があり、住宅ローンの支払いはそのままで、その他の借金を整理することが出来ます。
個人再生では自己破産のように借金の原因に条件があるわけでなく任意整理より借金を大きく減額できますので、いいことづくめな気がする個人再生ですが要件が厳しいことや費用が高額なことなどのデメリットもあります。
どうでしょう、自己破産の手続きについての理解が深まりましたでしょうか?
ここまでで、今回のコラム「自己破産とは?自己破産への誤解やメリットとデメリットを解説!」の解説は以上になります。
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それでは、司法書士の久我山左近でした。