こんにちは、「債務整理ドットコム」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。
借金でお悩みの方の法律的な解決方法のことを一般的に債務整理といい、その中の手続きの1つに個人再生があります。
個人再生とは、民事再生の個人版の手続きになります。
個人再生は借金の総額を5分の1または100万円を多い方の額まで減額して、その金額を3年36回の分割で支払い借金の完済を目指す手続きになります。
インターネット上には、個人再生についてのウソが溢れていますので、わたしが執筆している「債務整理ドットコム」のブログを読んでいただき個人再生の正しい情報を知ることはとても大切なことです。
今回の記事では、個人再生のメリットとデメリット、また個人再生の注意点や自己破産との違いを司法書士の久我山左近が詳しく解説いたします。
ぜひ、今回の記事を読んでいただき個人再生についての正しい知識や個人再生のメリットやデメリットを身に付けていただきたいと思います。
お友達登録するだけで借金がいくら減額できるかわかる!借金減額LINE診断!
個人再生とは?個人再生の手続きを司法書士がわかりやすく解説します!
以前のコラム「債務整理とは?借金問題を解決する債務整理の方法を丁寧に解説!」で任意整理、自己破産、個人再生のそれぞれの手続きについて解説をしたいますが、今回のブログでは、その中の個人再生にフォーカスして解説をいたします。
まずは、個人再生のメリットとデメリットの解説から始めていきましょう。
個人再生のメリットを債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説!
ここでは、個人再生のメリットを解説いたします。まず1つ目のメリットは、当たり前ですが借金の総額が大幅に減額できることです。
個人再生の手続きで借金の総額を最大で10分の1にまで減額することができます。
個人再生には「最低弁済額」というものが定められている。「最低弁済額」とは最低でもこれだけは返済してもらいますという金額になります。
借金額 | 最低弁済額 |
100万円未満 | 借金の全額 |
100~500万円未満 | 100万円 |
500~1,500万円未満 | 借金額の5分の1 |
1,500万円~3,000万円未満 | 300万円 |
3,000万円~5,000万円以下 | 10分の1 |
個人再生の手続きでは、500万円の借金であれば最高で100万円まで減額されますので、凄い金額が減額されることになります。
個人再生では減額された金額を3年36回~5年60回で返済していき借金の完済を目指します。
しかし、個人再生の手続きをすれば必ずこの金額まで減額されるわけではありません。
個人再生を申し立てたご自身が所有している財産の総額が「最低弁済額」を上回ってしまった場合、債権者の半数以上が個人再生に反対した場合には「最低弁済額」まで減額できないこともあります。
ただ、実務的には債権者の半数以上が個人再生に反対する可能性はかなり低いので、問題になるのはご自身が所有している財産の総額が大きいケースになります。
自動車や不動産などの財産を持っている人は最低弁済額まで借金が減額される可能性が高くなります。これは後述するデメリットにも当てはまります。
次のメリットは、個人再生だけでなく他の債務整理手続きと同じになりますが、弁護士や司法書士に個人再生を依頼すると、貸金業者やクレジット会社からの取り立てがストップします。
弁護士や司法書士は、個人再生の依頼を受けたことの書面を貸金業者やクレジット会社に通知します。貸金業者やクレジット会社がその通知を受け取って以降は、借主に対して直接返済を求めるような督促することはできなくなります。
また、貸金業者やクレジット会社への返済もストップいたしますので、その期間を使って借金の返済に追われていた生活を立て直すことも可能になります。
個人再生のデメリットを債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説!
まず1つ目のデメリットは、他の債務整理手続きと同じにはなりますが個人再生すると信用情報機関に事故情報として記載されますので、約5年間の間はローンやクレジットの利用が制限されます。
次のデメリットは、官報という新聞に載ることです。官報とは国が発行している機関誌のことで国に関するいろいろな情報などが掲載されています。官報は基本的に毎日発行されていて、現在ではインターネット版も存在します。しかし新聞といっても官報は一般的な書店では購入することができませんので、官報から友人や会社に個人再生をしたことを知られる可能性はないと言ってもいいと思います。
個人再生は、他の債務整理手続きと比較して手続きが複雑で、時間もかかります。任意整理は裁判所を通さない和解のための交渉に対して、個人再生や自己破産は裁判所を通して行う手続きになります。
任意整理は、貸主(債権者)と借主(債務者)が今後の返済の条件に同意できればそれで手続きは完了になります。しかし、裁判所を通すとなればそう簡単にはいきません。それぞれの法律に従って申し立てをする必要がありますし、必要な書類も数多くあります。また、裁判所での面接など、やらなければならないことが多くあります。個人再生の手続きが完了するまでには半年から1年程度の期間がかかると考えておいてください。
次のデメリットは、個人再生の場合は自己破産と違って借金が全部なくなるわけではありません。借金の総額が5分の1程度まで減額されたあとは、それを3年~5年かけて分割で支払っていく必要があります。また、個人再生では分割の支払いで完済できる程度の収入がなければ裁判所も個人再生を認めてくれません。
そういった意味では収入が安定していないと個人再生の手続きが難しいということもデメリットの1つになります。なお、個人再生後の分割払いを2か月以上滞納すると、個人再生の手続き自体が白紙になってしまう可能性がありますので注意が必要になります。
個人再生の最後のデメリットは、他の手続きと比較すると手続き費用が高額になることです。任意整理の手続きでは借り入れ1件につき数万円で済むことを考えると、個人再生の費用は決して安くありません。
個人再生を他の債務整理と比較した場合のメリットとデメリット!
ここでは、他の債務整理と比較した場合の個人再生のメリットとデメリットを解説します。
任意整理と比較した場合のメリットとデメリット
個人再生と任意整理と比べた場合には、個人再生は結果に強制力があります。任意整理の場合は裁判所を通さずに話し合いで減額できるかどうかが決まるので、相手の業者のルールや方針などで結果が左右する可能性があります。
任意整理では、業者から断られてしまうとおしまいといった可能性がありますが、個人再生であればそのようなことは起きません。裁判所を通すので強制的に減額することができます。
また、任意整理の手続きでは元金自体を減額することは難しいケースが多いので、利息をゼロにして返済をしたとしても大きく返済額を減らせないことがありますが、個人再生では借金の元金自体を大きく減額できますので、月々の返済額を大きく減額することができます。
最後が任意整理と比較した場合の個人再生のデメリットですが、まず前述した費用が高いところになります。そしてもう1つのデメリットが任意整理は会社や友人だけでなく同居している家族にも秘密にして手続きを行うことが可能ですが、個人再生は集める書類の関係で同居している家族に秘密にしての手続きは非常に難しくなります。
自己破産と比較した場合のメリットとデメリット
自己破産と比較した個人再生のメリットは、借金の原因を問われないことで、浪費やギャンブル、株などで作った借金でも個人再生で借金を減額することが可能です。
次は、自己破産とは異なりマイホームや自動車を残すことができることです。自己破産の場合はマイホームや自動車などの高額な財産を処分されてしまう可能性が高いですが、個人再生であれば財産を失うことなく借金を減額することが可能になります。
個人再生には自己破産にある職業や資格などの制限がありません。自己破産の手続きでは、手続き開始から完了までの期間は一部の資格や職業に制限がかかります。
つまり、その資格を使って仕事をしている人はそれ仕事ができなくなります。
以下が制限がかかってしまう職業の1部になります。
- 弁護士
- 税理士
- 警備員、警備業者
- 質屋営業の許可
- 生命保険外交員
- 宅地建物取引士
自己破産の職業制限に当てはまると今後の収入面で厳しい状況になる可能性が高くなりますが、個人再生であればそんな心配をする必要はありません。
最後が自己破産と比較した個人再生のデメリットですが、自己破産は借金自体がすべてなくなりますが、個人再生では大幅に減額されたとしても月々の返済は残ることになります。また、自己破産の手続きでは収入面が問題になることはありませんが、個人再生の手続きで安定した収入が要件になります。
個人再生ができる人の条件とは?司法書士が詳しく解説します。
個人再生の手続きでは、まず安定した収入があることが1つ目の条件になります。
個人再生では、裁判所に対して再生計画案を提出し「減額された借金をこのような計画で返済していきます」というプランを認めてもらう必要があります。
そのため裁判所は、申し立てた者が本当に計画通りに返済できるか、収入や日々のお金の使い道をチェックします。
個人再生では、減額された借金を3年から5年で返済しなければなりません。ですから個人再生では減額された借金を3年から5年で分割払いできるくらいの安定した収入がないと裁判所は個人再生を認めないということになります。
次の条件が個人再生で減額できるのは借金の額が5,000万円以下であることです。もし5,000万円を超える場合は個人再生ではなく一般の民事再生を申し立てることになります。
最後の条件が債権者の反対が多数ではないことになりますが、実務的には債権者の半数以上が個人再生に反対する可能性はかなり低いと考えられます。
どうでしょう、個人再生の手続きについての理解は深まりましたでしょうか?
ここまでで、今回のブログ「個人再生のメリットとデメリットは?注意点や自己破産との違いを解説」のテーマの解説は以上になります。
当サイトを運営する司法書士法人ホワイトリーガルでは、借金に関する無料相談だけでなく、今の借金の返済がどれぐらい減るのかの借金減額無料診断を受け付けています。
ぜひ、お気軽に当サイトの無料相談を利用して借金問題を解決していただきたいと思います。
借金の返済で困ったときは、お気軽に当事務所まで借金減額のご相談をしてくださいね。
それでは、司法書士の久我山左近でした。