民事再生と個人再生の違いについて!個人再生の手続きや費用を解説!
こんにちは、「債務整理ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
有名な会社が民事再生の手続きを開始しました!といったニュースが流れることがありますが、この債務整理ドットコムでも何度か紹介している個人再生とは何が違うのでしょうか?
通常の民事再生の手続きは、倒産の危機がある会社を救済するための制度になりますが、通常の民事再生の制度も実は個人でも利用できます。
今回のコラムでは、民事再生と個人再生の違いについて、また個人再生の手続きの流れや個人再生のメリットとデメリットについてわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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民事再生と個人再生の違いを解説!個人再生の手続きや費用も解説します!
大きな会社を倒産から救済する制度が民事再生の手続きになります。実はこの民事再生も個人で利用できないわけではありませんが、民事再生の手続きを簡略化して個人でも利用しやすくしたのが個人再生の手続きになります。
それでは、民事再生と個人再生の違いについての解説から始めていきます。
通常の民事再生と個人再生の違いを解説します。
個人再生は、民事再生法に定められた手続きの一つになります。もともと民事再生法は、倒産の危機に瀕した会社を救済するために作られた法律なので、通常の民事再生は会社の利用が前提になります。
一般の個人でも通常の民事再生を利用することが可能ですが、個人再生の方が利用しやすいので、ほとんどの人が個人再生を利用しています。では、その理由を含めて通常の民事再生と個人再生の違いを解説いたします。
個人再生は利用条件に制限があります。
個人再生を利用できる条件は、住宅ローンを除いた借金の合計が5000万円を超えない場合に限られます。しかし、通常の民事再生には債務の金額に制限がありません。
個人再生で5000万円を超える借金がある方は、通常の民事再生を選ぶことになるのですが、実際にその金額だと借金を減らしても計画通りに返済するのは難しいので、通常の民事再生よりも自己破産を検討するのがベストな選択になります。
個人再生は手続きが簡略化されています。
通常の民事再生は、債権者集会が開かれますが、個人民事再生ではそういった制度がなく、再生の手続き自体が簡略化されています。
個人再生では届け出をしなかった債権者は「同意」として扱われます。
民事再生手続きの申し立てを受けた裁判所は、各債権者に再生案に「同意するか?」という届け出を求めますが、通常の民事再生では届け出をしなかった債権者は「反対」として取り扱われます。しかし、個人民事再生では「同意」として取り扱われますので大きな違いになります。
個人再生を含めて民事再生の再生計画案が認可されるには、債権者の過半数と借金総額の2分の1以上の同意が必要になります。ですから同意を得やすい個人再生のほうが再生案の認可を受けやすくなります。
個人再生は裁判所への予納金が安くなります。
通常の民事再生の手続きでは、監督委員への報酬としておよそ200万円の予納金が必要になります。
それに比べて個人再生の場合は個人再生委員への報酬として15~20万円を預けるだけになります。また、裁判所により対応が違うので、個人再生委員を付ける必要のない裁判所もありますので手続き費用が安く済みます。
個人再生とはどんな手続きなのかを解説します。
個人再生の手続きは、裁判所を通して借金の総額を約5分の1に減額して、その減額した借金を3年から5年程度の期間で返済する手続きになります。
以下が個人再生を含めた債務整理の方法や特徴をまとめた一覧表になります。
債務整理の種類 | それぞれの手続きの特徴 |
任意整理 | 今後の利息をカットして月々の返済額を減額し、その借金の完済する手続き |
個人再生 | 裁判所を通して借金の総額を約5分の1に減額し、その減額した借金を完済する手続き |
自己破産 | ご自身の財産を処分する代わりに裁判所に借金をゼロにしてもらう手続き |
個人再生の手続きの流れを解説します。
個人再生の手続きは、以下のような流れで進みます。
- 個人再生の申立書類を揃えて裁判所に提出します。
- 個人再生委員との面接を経て、およそ1ヶ月後に個人再生手続きが開始されます。
- 申し立てから3〜4ヶ月以内に再生計画案を提出します。
- 調査のうえで裁判所が個人再生の許可または不許可を決定します。
- 再生計画案に従った返済を開始します。
個人再生を申し立ててから裁判所の許可決定までにかかる期間はおおむね半年ぐらいになります。
個人再生のメリットとデメリットを解説します。
ここでは、個人再生のメリットとデメリットを以下に紹介いたします。
個人再生のメリット
- 借金の総額が通常で約5分の1に、また最大で10分の1に圧縮されます。
- 住宅ローン特則の利用で、マイホームを手放さずにその他の借金を整理できます。
- 自己破産のように資格や職業の制限がありません。
個人再生のデメリット
- 信用情報機関に事故情報が登録されるので、約5年間はローンの利用が制限されます。
- 借金の総額が100万円以下だと個人再生で借金が減額されません。
- 個人再生の手続きに費用が他の債務整理より高額になることです。
個人再生手続きの前後で借金の総額を比較してみました。
個人再生の手続きを利用すると、どのくらい返済が楽になるのかをシミュレーションしてみます。
借金が250万円のケース
借金の総額が250万円だと金利の上限は15%になります。これをそのまま5年で返済した場合と個人再生の手続きで5年で完済した場合の違いを以下の表にまとめてみました。
返済する総額 | 利息の総額 | 月々の支払い | |
そのまま返済 | 約356万円 | 約106万円 | 約5万9千円 |
個人再生 | 100万円 | 0円 | 約1万6千円 |
個人再生の手続きで月々の負担が4万円以上も楽になります。この表をご覧になっていただくだけでも個人再生の効果はかなり強力ですね。
借金が400万円のケース
同じ条件で、400万円の借金を返済した場合と個人再生した場合を比較の表もご覧にってください。
返済する総額 | 利息の総額 | 月々の支払い | |
そのまま返済 | 約570万円 | 約170万円 | 約9万5千円 |
個人再生 | 100万円 | 0円 | 約1万6千円 |
このぐらいの借金の総額だと個人再生の効果はかなり絶大になります。月々の返済額の差はなんと8万円弱になりますので、個人再生の手続きを選択するメリットは本当に大きくなります。
どうでしょう、民事再生と個人再生の違いについての理解は深まりましたでしょうか?
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ここまでで、今回のコラム「民事再生と個人再生の違いについて!個人再生の手続きや費用を解説!」の解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。