債務整理の種類とその特徴、手続きの費用もわかりやすく解説!
こんにちは、「債務整理ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
債務整理の手続きは、借金で苦しんでいる人を救済するために国が作った制度で、ご自身の借金自体を減らしたり、なくしたりできます。
しかし、お金に困っている人たちを助けるための債務整理の手続きにも、専門家にお願いするのにはある程度の費用が必要になります。
今回のコラムでは、債務整理の種類とそれぞれの手続きの特徴、またそれぞれの手続きの費用についてもわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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債務整理の手続き費用、種類、特徴をわかりやすく解説します。
債務整理の手続きをご自身でおこなうことが不可能ではありませんが、手続きに手間がかかる上に難易度が高く、また失敗してしまうと、もう1度お願いしますということができませんので取り返しが付かなくなります。
今回のコラムでは、債務整理の種類の紹介と、それぞれの手続きの特徴、またそれぞれの手続きの費用についてもわかりやすく解説いたします。
まずは、債務整理の3つの種類を紹介いたします。
借金 | 裁判所 | 費用 | |
任意整理 | 利息をカット | 通さない | 4万~6万円✖件数 |
個人再生 | 約5分の1に | 通す | 40~60万円程度 |
自己破産 | 借金をゼロに | 通す | 30~50万円程度 |
任意整理の手続きの特徴と費用相場を解説します。
まずは、一番デメリットがなく、もっともポピュラーな手続きの任意整理の特徴から解説します。
任意整理の手続きは、弁護士や司法書士がご自身の代理人になり、相手の貸金業者と直接交渉し、手続き後の利息をカットして月々の返済額を減額して借金の完済を目指す手続きです。
任意整理の手続きは裁判所を通さないためスピーディーで、手続き費用も安く済むのが特徴になります。また、裁判所を通さないため会社や友人だけでなく同居している家族にも知られずにご自身の借金問題を解決できます。
任意整理は整理する借金を選択することができます。自宅や自動車を残したい場合は、住宅ローンや自動車ローンを除いて、その他の借金のみを整理することができます。また、保証人に迷惑をかけたくない場合は、保証人が付いている借金を除いて、その他の借金のみを整理できます。
債務整理の手続きをすると、どの手続きでも信用情報機関に事故情報が登録されますので、約5年程度の期間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。ただし、任意整理が1番早く手続きが完了しますので、その他の債務整理より1番早く信用情報が回復するといったメリットがあります。
ご自身に総額300万円の借金があると、1年間の利息は約45万円になり、もし返しては借りるを続けていると永遠に年間45万円を支払い続けることになります。また実は借金を2カ月以上延滞してしまうと任意整理と同じようにブラックリストに登録されます。ですから、ずっと利息を支払い続けてから借金を滞納してブラックリストに登録されるぐらいなら、任意整理で根本的にご自身の借金問題を解決する方がずっと早く健全な生活に戻ることができます。
任意整理ではブラックリストに登録されることが唯一の任意整理のデメリットになりますが、任意整理にはもう1つ弱点があり、借金の総額が大きすぎる方は、借金の返済額も大きくなってしまい返済しての解決が難しくなります。このように借金の総額が大きい方は任意整理ではなく、大きく借金自体を減額できる個人再生での借金解決がベストな選択になります。
任意整理の費用相場
任意整理の手続き費用は、借り入れ件数✖4万円から6万円程度が一般的な費用になります。
しかし、事務所によっては任意整理の手続き費用だけでなく顧問料、管理料、通信費といった名目でプラスの料金を請求してくる事務所も多いので、任意整理を依頼する時は費用の総額をしっかりと確認する必要があります。
個人再生の手続きの特徴と費用相場を解説します。
次に、任意整理と自己破産の中間ともいえる、個人再生の特徴とメリットなどを解説いたします。
個人再生の手続きは、裁判所に申し立てをしてご自身の借金の総額を約5分の1に圧縮して、その圧縮した借金を3年から5年で返済して解決する手続きになります。
仮に、ご自身に総額400万円の借金があり5年間で返済をすると月々の返済額は約9万5千円になりますが、同じ借金を個人再生をした後の月々の返済額は約1万6千円になりますので、個人再生の借金減額の効果はかなり強力だと理解できるでしょう!
また、個人再生には住宅ローン特則という制度があり、住宅ローンについては今まで通りに返済を続けて、それ以外の借金は大きく減額することができます。個人再生はマイホームを維持しながらご自身の借金問題を解決できます。
個人再生は、自己破産とは違ってご自身の財産を処分する必要はありませんし、また自己破産と違い特定の資格や職業の方の仕事を制限もありません。また、任意整理も同じですが個人再生は自己破産と違って借金の理由は問われませんので、ギャンブルや浪費で作った借金でも手続きに問題ありません。
個人再生も自己破産と同じように裁判所を通す手続きなので、必要書類の関係上同居している家族に秘密にして個人再生の手続きは難しい部分があります。もちろん会社や友人に知られずに個人再生の手続きをすることは問題なく可能です。
ここからは個人再生のデメリットになりますが、個人再生の手続きをすると信用情報機関に事故情報が登録され、約5年程度の期間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
また、個人再生の手続きは任意整理のように整理する借金を選択できませんので、すべての借金が個人再生の対象になります。ですから自動車ローンがある場合は自動車はローン会社に引き揚げられますし、保証人が付いている借金があれば保証人に迷惑がかかることになります。
かなり大きな借金の減額効果が期待できる個人再生の手続きですが、他の手続きより安定した収入が条件になりますし、手続きの費用も1番高額になるといったデメリットもあります。
個人再生の費用相場
個人再生の手続きにかかる費用の相場は、だいたい、40万円~60万円程度です。(個人再生委員が必要な場合は15万円~25万円の費用が追加で必要になります。)
自己破産の手続きの特徴と費用相場を解説します。
自己破産の手続きは、裁判所に申し立てをして、ご自身の所有する財産を処分する代わりに借金をすべて帳消しにする手続きです。世間ではとても印象の悪い自己破産の手続きですが、自己破産は借金で苦しんでいる人を救済するために国が作った制度なので、読者の皆様が考えているほどのデメリットはありません。
自己破産の1番大きなデメリットは、ご自身が所有している財産を処分されることですが、逆に言えば価値ある財産を所有していない方にとっては大きなデメリットがありません。また、自己破産したことは戸籍や住民票に記載されることはありませんし、年金の受給にも影響がありません。自己破産がご自身の選挙権に影響がありませんし、本人の自己破産が家族に影響することもありません。
ここからは自己破産のデメリットになりますが、自己破産の手続きは任意整理のように整理する借金を選択できませんので、すべての借金が自己破産の対象になります。ですから、住宅ローンや自動車ローンがある場合は住宅は銀行に処分されますし自動車はローン会社に引き揚げられます。また、保証人が付いている借金があれば保証人に迷惑がかかることになります。
自己破産も個人再生と同じように裁判所を通す手続きなので、必要書類の関係上同居している家族に秘密にして自己破産の手続きは難しい部分があります。もちろん会社や友人に知られずに自己破産の手続きをすることは問題なく可能です。
自己破産は、弁護士や税理士といった特定の資格の方や保険外交員や警備員といった特定の職業の方は、自己破産の手続き中はそのお仕事ができなくなります。また、自己破産の手続きをすると信用情報機関に事故情報が登録され、約5年程度の期間はローンやクレジットカードの利用ができなくなります。
最後のデメリットが自己破産をすると官報という特殊な新聞に掲載されることです。官報は国が発行している新聞ですが、一般の書店で購入できるわけではなく官報からご自身が自己破産した情報を知られる可能性はほとんどありません。しかし、最近では新破産者マップというGoogleマップと官報に載っている自己破産の情報を紐づけしている違法サイトが作成されました。結局は削除されますがタイミングが合えば誰かに知られるといった可能性がないわけではありません。
借金で悩んでいる方は、まず任意整理を検討し、任意整理での返済が難しいケースは個人再生、それでも解決が難しい場合に自己破産を検討しましょう!
自己破産の費用相場
自己破産の手続きにかかる費用の相場は、だいたい、30万円~50万円程度です。(管財事件の場合は20万円~50万円の費用が追加で必要になります。)
ご自身の借金の総額から手続きを検討しましょう。
ここまで解説いたしましたが、債務整理の手続きにはそれなりの費用がかかります。ここからはご自身の借金の総額からどんな手続きが向いているかを解説いたします。
ご自身の借金の総額:50万円以下
ご自身に毎月生活していける収入があることを前提にすると、借金の総額が50万円以下だと基本的には債務整理はお勧めできません。
この借金の総額だとできる手続きは任意整理になりますが、借金の総額が50万円だと月々の返済は約1万8千円になり、任意整理の手続き後は月々の返済は半分以下の約8千円になります。普通に返済していく利息の総額は約15万円、任意整理の手続きに約4万円程度かかりますが、任意整理のメリットがないわけではありませんね。
ただ、普通に返済していくことが可能であれば債務整理するメリットは小さいと思います。
ご自身の借金の総額:200万円以下
このぐらいの金額になると、債務整理の効果はかなりあると考えられます。
ご自身の借金が200万円だと、普通に3年間で返済すると月々の返済額は約7万円、利息の合計は約50万円になります。これを任意整理すると月々の返済額は約3万3千円、利息の合計はゼロになります。
これだと任意整理のメリットがかなり効果があることが理解できます。月々3万3千円の返済が可能であれば任意整理、また収入が激減したりなくなった方には自己破産での解決も検討する必要があります。
ご自身の借金の合計が200万円のケースだと1番メリットがない手続きが個人再生になります。個人再生しても200万の借金は100万円までしか減額されませんし、個人再生の手続き費用に50万円かかってしまうとあまりメリットがないと考えられます。
ご自身の借金の総額:500万円以下
ご自身の借金が500万円だと、普通に5年間で返済すると月々の返済額は約12万円、利息の合計は約213万円になります。これを任意整理すると月々の返済額は約8万3千円、利息の合計はゼロになります。この8万3千円の返済が難しければ個人再生を検討します。この500万円を個人再生すると月々の返済は約2万8千円まで減額されますので、個人再生の減額の効果はかなり大きいと思います。また収入が激減したりなくなった方には自己破産での解決も検討する必要があります。
ご自身の借金の総額:500万円以上
ご自身の借金が500万以上だと、任意整理での解決は難しいので、検討する手続きは個人再生か自己破産になります。
ご自身の借金が1000万円だと、普通に5年間で返済すると月々の返済額は約24万円、利息の合計は約213万円になります。この1000万円を個人再生すると月々の返済は約5万5千円になりますので、個人再生の減額の効果はかなり大きいと思います。また収入が激減したりなくなった方には自己破産での解決も検討する必要があります。
債務整理の費用が用意できないときの対処法を解説します。
借金を返済することで限界になって債務整理をするわけですから、債務整理の手続き費用を用意できない方も多いと思います。
そんな方の1つ目の対処方法は、当事務所のように相談料が無料で、着手金なし、手続き費用を分割払いで受け付けてくれる事務所を選ぶことです。また、分割払いの事務所でも手続き費用が高額になっては意味がありませんので、必ず手続き費用の総額はしっかりと確認する必要があります。
次の対処法は、法テラス(日本司法支援センター)を利用することで、法テラスは国が運営している法律問題の総合解決窓口です。ご自身の収入が一定のラインを下回っている方は、債務整理の手続き費用を立て替えてもらうことができます。
どうでしょう、債務整理の種類とその特徴、それぞれの手続きの費用についての理解が深まりましたでしょうか?
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ここまでで、今回のコラム「債務整理の種類とその特徴、手続きの費用もわかりやすく解説!」のテーマの解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。