個人再生で自動車は残せる?車を失うパターンや対処法を解説!
こんにちは、「債務整理ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
個人再生の手続きでは、裁判所から借金の総額を約5分の1に減額するのを認めてもらい、その減額した借金を3年から5年で返済してご自身の借金問題を解決する手続きです。
個人再生の手続きでは、自己破産のようにご自身の財産を処分しなければならないという規定はありませんので、個人再生の手続きではご自身の自動車を処分する必要はありません。
しかし、個人再生ではすべての借金が対象になりますので、自動車ローンを除いて個人再生の手続きはできません。
今回のコラムでは、個人再生の手続きでご自身の自動車は残せるのか?また自動車を残すための対処法について債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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個人再生で自動車を残す方法は?車を失うケースや対処法を解説します!
個人再生の手続きは、借金を大きく減額する効果がありますが、裁判所を通して行う手続きですべての借金が対象になります。
個人再生でご自身の自動車が残せるかどうかは、自動車ローンが残っているかどうかによります。また、借金の総額より所有している自動車の価値の方が高い場合などは、自動車の価値以上の金額の返済を求められます。
今回のコラムでは、個人再生の手続きでご自身の自動車は残せるのか?また自動車を残すための対処法について債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。
個人再生で自動車を失うケースを解説します。
ご自身が組んでいる自動車ローンを完済していない場合に、個人再生の手続きをすると自動車はローン会社に引き揚げられてしまいます。一般的な自動車ローンでは、自動車ローンを完済するまでの間はローン会社の所有になります。つまり、ローン会社から車を借りているような状態であるため、ローンの返済が滞れば自動車はローン会社に引き揚げられてしまいます。
自動車の価値より個人再生後の返済額が低い場合
次は少し実務的なお話しになりますが、仮に個人再生で500万円の借金が100万円まで減額されるようなケースで、ご自身が所有している自動車を売却すると300万円で売れるとしましょう!
この場合には、個人再生の「清算価値保証原則」という規定により、少なくともご自身が所有している300万円は返済しなければいけなくなります。その300万円の返済が難しい場合には、ご自身の自動車を売却することになるかもしれません。
清算価値保証原則とは、もし自己破産をしていたら、これくらいの金額は債権者に返済することができるという原則になります。例を挙げれば、1000万円のベンツを所有してる方が500万円の借金返済が難しくなって個人再生を検討する場合には、普通に考えればベンツを売却すれば借金は返済できるという考え方です。
この方が自己破産をしていたら、1000万円のベンツを売却して、そのお金を債権者に分配していたことになりますので、個人再生の場合はベンツは売却しなくてもいいですが、清算価値保証原則に則り少なくともベンツの価格の1000万円は返済しなければなりませんので、500万円の借金では個人再生をする意味がありません。ですから、価値のある自動車を持っている方は、本当に個人再生を選択すべきかをよく検討する必要があります。
個人再生で自動車を残す方法を解説します。
シンプルに考えて、自動車ローンを完済してから個人再生をすれば自動車は引き揚げられません。ただ注意があり、ご自身の生活が破綻して他の返済がストップしている状態で自動車ローンだけ返済するのはできません。特定の債権者だけが優遇されるのは、「債権者平等の原則」に反していることになります。こういう行為のことを法律用語で「偏頗弁済(へんぱべんさい)」といいます。
例を挙げれば、支払いができない状態になってから、自動車のローンだけを200万円返済したとします。本来この200万円は、すべての債権者が平等に受け取れるはずだったお金になりますので、個人再生をしても最低200万円以上を返済しなければいけません。この偏頗弁済をしたことを隠して個人再生の手続きをすると、状況によっては個人再生が認められません。
偏頗弁済にならないためには、自動車ローンの名義を第三者に変更し、その方に返済してもらうという方法があります。例を挙げれば、家族に自動車ローンの名義変更をする場合には、その方の収入が安定していてローン会社がОKであれば自動車ローンの名義を変更することが可能です。
裁判所に別除権協定を認めてもらうケース
個人再生の手続きで、裁判所に別除権協定が認められた場合には、個人再生後も自動車を残すことができます。
簡単に言えば、ローン会社と話し合いをして、個人再生後も返済を続けることを約束して自動車を残してもらうことです。
しかし、前述した通りローン会社だけに返済をしていくのは、債権者平等の原理に反していますので、裁判所の許可も得る必要があります。個人再生を申し立てをするのがタクシーやトラックの運転手といった特別な事情がない限り別除権協定は認められません。
任意整理ならご自身の自動車を残すことが可能です。
個人再生の手続きではなく、任意整理であればご自身の自動車を残すことができます。
任意整理の手続きでは、弁護士や司法書士がご自身の代理人となり、相手の債権者と直接交渉することで借金の減額を目指す手続きです。任意整理の手続きでは、整理する借金を選択することができますので、自動車ローンを除いてその他の借金のみを任意整理することができます。
個人再生後に自動車を買うなら一括での購入になります。
個人再生の手続き後は、信用情報機関に事故情報が登録されますので、新たなローンを組んだり借り入れをしたりすることはできなくなります。この期間は約5年間になりますが、この期間中に自動車を購入するなら一括で自動車を購入する必要があります。
また、自動車のローンだけではなくクレジットカードの作成やスマホの分割購入もできませんので注意が必要です。
どうでしょう、個人再生で自動車を失うパターンや自動車を残すための対処法についての理解が深まりましたでしょうか?
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ここまでで、今回のコラム「個人再生で自動車は残せる?車を失うパターンや対処法を解説!」のテーマの解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。