自己破産で慰謝料は免除される?離婚の慰謝料と非免責債権を解説!
こんにちは、「債務整理ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
自己破産は、ご自身が所有している財産を処分する代わりに、すべての借金の返済義務を免除してもらうことを裁判所から認めてもらう手続きになります。自己破産をすると、税金や年金、保険などの特定の債務を除いてすべての借金の返済義務がなくなりますが、離婚の慰謝料に関してはどのような取り扱いになるのでしょうか?
今回のコラムでは、自己破産の手続きでの離婚の慰謝料の取り扱いについて、また自己破産で免責されない非免責債権について債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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養育費や婚費用は自己破産でも免除されません!では自己破産での慰謝料の取り扱いは?
離婚は結婚の3倍大変だとよく言われますが、離婚の後に慰謝料を支払う必要がある方も中にはいらっしゃいます。どうしても離婚の慰謝料が支払えない場合に自己破産をすると離婚の慰謝料はどうなるのでしょうか?
今回のコラムでは、自己破産の手続きでの離婚の慰謝料の取り扱いについて、また自己破産で免責されない非免責債権について債務整理に詳しい司法書士がわかりやすく解説いたします。
自己破産したら慰謝料は支払わなくてもよくなる?
自己破産の手続きとは、裁判所に対して申し立てをして、裁判所から借金の免責を認めてもらうことによって借金を帳消しにする手続きのことです。なお、自己破産の手続きでは正確にいうと借金を帳消しにするというよりも「債務」を帳消しにするという方が正しい表現になります。
債務には借金だけではなくいろいろな種類があり、実は慰謝料を支払うことも一つの債務になります。ですから離婚の慰謝料も裁判所が自己破産を認めると免責許可によって慰謝料の支払い義務も帳消しになります。
慰謝料が非免責債権だと判断されれば免除されない
慰謝料が「非免責債権」に該当する場合は自己破産をしても免除されません。非免責債権とは自己破産をしても免除されない債務のことで、以下に非免責債権をピックアップいたしました。
非免責債権の例
- 税金や年金、保険など
- 悪意で人に加えた不法行為にもとづく損害賠償金
- 故意や過失により人に与えた身体を害したことに対する損害賠償金
- 生活費や婚姻費用、養育費など
- 従業員に支払う給料
- 自己破産の手続きでわざと申請しなかった借金
- 刑罰の一種である罰金など
慰謝料も損害賠償金の一種になりますが、慰謝料にもいくつかの種類があり「悪意で生じた慰謝料」や「故意や重過失で生じた慰謝料」は非免責債権に該当するので免除されなくなります。離婚に伴った不倫の慰謝料も判断によって免除されるかどうかが変わりますが、基本的にはほとんどの不倫の慰謝料は免除されます。
不倫の慰謝料に関しては自己破産をすると免除されますので「悪意」や「故意・重過失」に該当しないという判断になります。
自己破産をしても免除されないのが、悪意で加えた損害に対する慰謝料になりますが、読者の皆様が感じるように不倫された側からしたら悪意しか感じないと思います。しかし、この「悪意」というのは法律では「他人を害する積極的な害意」だと定義されています。不倫の場合は配偶者を傷つけるために不倫をしたのか、単に不倫相手が好きで不倫をしたのかを立証することができないので、不倫の慰謝料が非免責債権にならないという理由になります。
養育費や婚姻費用について
離婚の慰謝料以外に触れておく必要があるにが、離婚に伴う養育費や婚姻費用になります。この養育費と婚姻費用に関しては非免責債権だと破産法で定められていますので、自己破産の手続きを取っても養育費と婚姻費用は免除されることはありません。養育費も婚姻費用も支払わなければ子供や配偶者が困窮する恐れがありますので自己破産の手続きでも免除されることはありません。
最後に、一つだけ注意点があり、もし自己破産後に慰謝料を請求された場合は、その慰謝料に関しては自己破産の対象外になりますので注意が必要になります。
どうでしょう、自己破産での離婚の慰謝料の取り扱いについての理解が深まりましたでしょうか?
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ここまでで、今回のコラム「自己破産で慰謝料は免除される?離婚の慰謝料と非免責債権を解説!」のテーマの解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。