債務整理で生命保険は解約しなければならない?解約返戻金の取り扱いを解説!

債務整理ドットコム

こんにちは、「債務整理ドットコム」のブログを執筆している司法書士の久我山左近です。

「債務整理をすると、今加入している生命保険は解約しなければならないの?」
「生命保険の解約返戻金があると、自己破産できないの?」
「家族のために加入した生命保険だけは、どうしても残したい……」
借金の返済が苦しくなり、債務整理を検討している方の中には、このようなお悩みを抱えている方も少なくありません。

特に、長年保険料を支払ってきた終身保険や養老保険などは、解約するとまとまった金額が戻ってくることがあります。
そのため、債務整理によって大切な生命保険を失うのではないかと、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、債務整理をするからといって、生命保険を必ず解約しなければならないわけではありません。
生命保険の取り扱いは、任意整理・個人再生・自己破産のどの手続きを選択するかによって大きく異なります。
また、生命保険の解約返戻金がいくらあるのかによっても、保険を継続できるかどうかが変わってきます。

この記事では、債務整理によって生命保険がどうなるのか、解約返戻金の取り扱いや保険を残す方法について、司法書士の久我山左近がわかりやすく解説いたします。

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目次

生命保険を残したまま債務整理できる可能性は十分にあります!

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債務整理をすると生命保険はどうなる?

債務整理とは、借金の返済が困難になった場合に、返済条件の見直しや借金の減額、免除などを目指す手続きの総称です。代表的な方法には、任意整理・個人再生・自己破産の3つがあります。

それぞれの手続きによって、生命保険の取り扱いは次のように異なります。

債務整理の種類生命保険の解約解約返戻金の取り扱い
任意整理原則として不要原則として財産処分の対象にならない
個人再生原則として不要清算価値として評価される
自己破産必要になる場合がある破産財団に属する財産として換価対象になり得る

このように、任意整理や個人再生では、基本的に生命保険を継続できます。

一方で、自己破産では解約返戻金が一定額を超えると、保険の解約が必要になる場合があります。
そのため、生命保険を残したい方は、それぞれの手続きの特徴を理解しておくことが重要です。

生命保険の解約返戻金とは?

解約返戻金とは、生命保険を途中で解約した場合に、保険会社から契約者に払い戻されるお金のことです。

生命保険には、解約返戻金が発生する保険と、解約返戻金がほとんど発生しない保険があります。

解約返戻金が発生しやすい生命保険

代表的なものには、次のような保険があります。

  • 終身保険
  • 養老保険
  • 学資保険
  • 個人年金保険
  • 一部の医療保険やがん保険

これらの保険では、契約期間や保険料の支払状況によって、まとまった解約返戻金が発生する場合があります。
一方、掛け捨て型の定期保険や医療保険などは、解約返戻金がないか、ごく少額であることが一般的です。
ただし、保険の名称だけで判断することはできません。

債務整理を検討する際には、保険会社から解約返戻金証明書を取り寄せ、実際の金額を確認することが大切です。

任意整理では生命保険を解約する必要はない?

任意整理とは、債権者と直接交渉して、将来利息のカットや分割返済などを目指す手続きです。

任意整理では、裁判所を通じて財産を処分する必要がないため、生命保険は原則として解約する必要がありません。

例えば、解約返戻金が100万円ある終身保険に加入している場合でも、任意整理をするために保険を解約する必要はありません。また、生命保険に加入していること自体が、任意整理の妨げになるわけでもありません。
ただし、毎月の保険料が高額で、借金の返済に支障が出ている場合には、保障内容や保険料の見直しを検討する必要があります。任意整理では、和解後も継続して返済できることが重要だからです。

生命保険を維持しながら借金の返済負担を軽減したい方にとって、任意整理は有力な選択肢となります。

個人再生では生命保険を残せる?

個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金を大幅に減額して、原則3年間で分割返済していく手続きです。

個人再生でも、生命保険を解約する必要は原則としてありません。

ただし、自己破産とは異なり、財産を処分せずに手続きを進められる一方で、保有財産の価値が返済額に影響する場合があります。

解約返戻金は清算価値に算入される

個人再生では、原則として、自己破産をした場合に債権者へ配当されると見込まれる財産価値以上の金額を返済する必要があります。これを「清算価値保障の原則」といいます。

生命保険の解約返戻金も、基本的には清算価値を算定する際の財産として評価されます。

例えば、借金総額が500万円の場合、小規模個人再生では法律上の最低弁済額は原則100万円です。
しかし、解約返戻金が200万円あり、ほかの条件を考慮しても清算価値が200万円となる場合には、原則として200万円以上を返済する必要があります。

つまり、生命保険を解約しなくても、解約返戻金が高額であれば、個人再生後の返済額が増える可能性があるのです。
なお、実際の返済額は、ほかの保有財産や債権の内容、給与所得者等再生における可処分所得要件などによっても変わります。

自己破産では生命保険を解約しなければならない?

自己破産とは、裁判所に申立てを行い、免責許可を受けることで、原則として借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

自己破産では、一定以上の価値がある財産が処分の対象になるため、生命保険の解約返戻金も問題になります。
ただし、生命保険に加入しているからといって、必ず解約しなければならないわけではありません。

解約返戻金20万円が一つの判断基準になる

例えば、東京地方裁判所の破産実務では、解約返戻金が20万円を超えるかどうかが、財産の換価や事件の取り扱いを判断する際の重要な目安になることがあります。

一般的には、次のように考えられます。

  • 解約返戻金が20万円以下の場合:ほかの事情にもよりますが、保険を維持できる場合があります。
  • 解約返戻金が20万円を超える場合:換価の対象となり、保険の解約が必要になる可能性があります。

ただし、この20万円という金額は、全国共通の法律上の基準ではありません。

裁判所によって運用が異なるほか、複数の保険契約がある場合の合算や、ほかの財産との関係によっても判断が変わります。また、20万円を超えたからといって、必ず保険を解約しなければならないわけでもありません。

自由財産の拡張によって保険を残せる場合がある

自己破産には「自由財産の拡張」という制度があります。
これは、本来は破産財団に属する財産について、裁判所が生活状況などを考慮し、破産者の手元に残すことを認める制度です。

例えば、健康上の理由から新しい生命保険への加入が難しい場合や、保険を維持する必要性が高い場合などには、自由財産の拡張が検討されることがあります。
また、破産管財人などと協議し、解約返戻金相当額を適切に破産財団へ組み入れる方法によって、保険契約を維持できる場合もあります。
ただし、これらは必ず認められるものではありません。生命保険を残したい場合には、自己破産を申し立てる前に専門家へ相談することが重要です。

掛け捨て型の生命保険は自己破産しても継続できる?

掛け捨て型の生命保険は、一般的に解約返戻金がないか、あってもごく少額です。
そのため、自己破産をしても保険契約を継続できることが多くなります。

例えば、解約返戻金のない定期保険や医療保険であれば、保険を解約しても債権者への配当に充てられる財産が発生しません。そのため、財産の換価という観点からは、解約する必要性が低いと考えられます。
ただし、毎月の保険料が高額で生活費を圧迫している場合には、家計の見直しが必要になることもあります。

生命保険の契約者貸付を利用している場合は?

生命保険には、解約返戻金の一定範囲内で保険会社からお金を借りられる「契約者貸付」という制度があります。
契約者貸付を利用している場合には、解約返戻金から貸付残高などを差し引いた金額が、財産評価の基礎になることがあります。

例えば、解約返戻金が100万円で、契約者貸付の残高が40万円の場合、差引額の60万円を基準に評価することがあります。
ただし、債務整理の直前に契約者貸付を利用して現金を引き出したり、財産を減らしたりすると、使途や経緯によっては問題になる可能性があります。

自己破産や個人再生を検討している場合には、専門家に相談せずに契約者貸付を利用することは避けましょう。

債務整理をする前に生命保険を解約してもいい?

借金の返済が苦しくなると、生命保険を解約して返済資金に充てようと考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、自己破産や個人再生を検討している場合には、安易に保険を解約することはおすすめできません。

例えば、解約返戻金を特定の債権者への返済に充てた場合、偏頗弁済として問題になる可能性があります。
また、解約返戻金を家族に渡したり、財産を隠す目的で処分したりすると、自己破産の免責判断などに悪影響を及ぼすおそれがあります。

一方で、生活費や医療費などに充てる必要がある場合も考えられますが、その場合でも使途や必要性を説明できることが重要です。そのため、債務整理を検討している段階では、生命保険を解約する前に司法書士や弁護士に相談することをおすすめします。

まとめ|債務整理をしても生命保険を残せる可能性はある!

債務整理をする場合でも、生命保険を必ず解約しなければならないわけではありません。

任意整理では、原則として生命保険をそのまま継続できます。
個人再生でも生命保険の解約は基本的に不要ですが、解約返戻金が清算価値に算入されるため、返済額に影響する可能性があります。
一方、自己破産では、解約返戻金が一定額を超えると、生命保険が換価の対象になる場合があります。
ただし、自由財産の拡張などによって、保険を残せる可能性もあります。

大切なのは、生命保険の解約返戻金を正確に把握し、自分の状況に合った債務整理の方法を選択することです。
また、債務整理をする前に生命保険を勝手に解約してしまうと、その後の手続きに影響する場合もあるため、注意が必要です。

生命保険を残しながら借金問題を解決したい方や、解約返戻金が高額で不安を感じている方は、まず債務整理に詳しい司法書士や弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

ここまでで、今回のブログ「債務整理で生命保険は解約しなければならない?解約返戻金の取り扱いを解説!」の
テーマの解説は以上になります。
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カワウソ竹千代

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久我山左近

それでは、司法書士の久我山左近でした!

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司法書士法人ホワイトリーガル
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