借金の大幅な減額ができる個人再生の給与所得者等再生を解説します!
こんにちは、「債務整理ドットコム」のコラムを執筆している司法書士の久我山左近です。
個人再生の手続きには、小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があります。2種類の手続きの名称から連想すると、小規模個人再生は事業者用、給与所得者等再生は会社員といった印象を受けますが、実際にはそういった区別があるわけではなく、それぞれの手続きにメリットとデメリットがあります。
今回のコラムでは、個人再生の手続きの1つである給与所得者等再生に注目して、その特徴やメリットとデメリットをわかりやすく解説いたします。
借金でお悩みの方にとってはとても有益な内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
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個人再生の給与所得者等再生の特徴やメリット、デメリットを解説!
法律で認められている借金を減額する方法の1つが個人再生の手続きになります。また、個人再生の手続きには、さらに小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの手続きがあり、どちらを選択するかによって成功できる可能性や借金を減額できる幅が変わってきます。
今期のコラムでは、給与所得者等再生を選択したほうがよい人の条件や給与所得者等再生のメリットやデメリットについてわかりやすく解説いたします。
個人再生の手続きの種類は2つで、その違いを解説します。
ここでは、個人再生の手続きについて、どんな制度なのかを説明いたします。個人再生は、借金の返済が厳しくなった人が利用できる救済処置の1つで裁判所に再生計画案を提出して許可を受けることで借金が約5分の1と大幅に減額されます。個人再生ではその減額した借金を3年から5年程度の期間で返済して解決する手続きです。
個人再生について「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があります。以下でそれどれの手続きの特徴を解説いたします。
小規模個人再生の手続きを解説します。
借金問題の解決をルーティーンワークにしている事務所であれば、個人再生の手続きの依頼を受けると、ほとんどのケースで小規模個人再生を選択いたします。
その理由は、小規模個人再生の方が借金をたくさん減額できる可能性が高いからになります。個人再生を検討する一番の理由は借金の返済を楽にしたいということなので、借金の減額幅が大きい小規模個人再生を選ぶのは当然のことになります。
小規模個人再生のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
借金が総額に応じて最大で10分の1まで減額できる可能性があります。 | 貸主の2分の1以上または債権額の過半数以上の反対があると認可されなくなります。 |
小規模個人再生の方が借金を減額できる幅が大きいのですが、貸主の数の半数以上または借金総額の半額分超以上の貸主がと反対すると許可が下りなくなります。ただし、実務的には小規模個人再生の手続きで反対する業者はほとんどありません。
給与所得者等再生の手続きを解説します。
給与所得者等再生は、小規模個人再生のなかの特則として位置付けられている制度になり、給与所得者とは一般的にサラリーマンということになりますから、基本的にはサラリーマンが利用できる制度になります。しかし、サラリーマンでも小規模個人再生を利用することができます。
実務的には、最初に小規模個人再生を検討し、それが無理そうなら給与所得者等再生を考えるのがセオリーになります。
給与所得者等再生のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
個人再生の認可に貸主の同意が不要です。 | 借金は、可処分所得の2年分以上までしか減額されません。 |
まず、「可処分所得」について解説をいたします。可処分所得とは、給与やボーナスから税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取りの収入になります。この可処分所得の方法で計算すると小規模個人再生のように約5分の1といった大きな減額幅にはならずに、給与所得者等再生の借金の減額幅は少なくなるケースがほとんどです。
給与所得者等再生が使える人の条件を解説します。
少ないケースではありますが貸主のうち半数以上が反対すると予想されるケースでは、小規模個人再生が利用できない可能性があり、その場合には給与所得者等再生を検討することになります。
ただし、給与所得者等再生にも利用の条件があるので注意が必要になります。給与所得者等再生の利用条件は、まず安定した収入があり、その変動幅が小さいことになります。そして、過去7年以内に給与所得者再生やハードシップ免責を利用していないことになります。
小規模個人再生の条件と大きな違いは、過去7年以内に給与所得者等再生やハードシップ免責を利用していないことになり、ハードシップ免責とは、止むを得ない事情で再生計画案通りに返済できなくなった場合でも、返済額の4分の3以上の返済が終わっていれば特別に残債をなしにできる制度になります。
給与所得者等再生を選択すべきケースを解説します。
せんせい
個人再生の2つの種類を比べたとき、有利なのは小規模個人再生だよ。
ただし、次のケースでは小規模個人再生が許可されないので給与所得者等再生を目指すことになるね。
貸主の半分以上が反対している場合
小規模個人再生の手続きが始まると、裁判所が各債権者に対して、提案した再生計画案を認めますかとういう問い合わせをいたします。もし債権者のうち半数以上が反対という回答すると、小規模個人再生は許可されません。
債権者の多くは、自己破産されるよりもマシと考えて個人再生を許可することがほとんどになりますが、なかには強硬に反対する業者もいます。
極端なケースになりますが、債権者が2社の場合には1社でも反対すれば小規模個人再生は利用できなくなりますので、給与所得者等再生を選択することになります。
反対した貸主の総貸出額が半額を上回っている場合
同じように、小規模個人再生の場合には、借金の総額の半額を上回る債権者が反対すると回答したときも手続きを利用することができません。債権者が3社いる場合でも1社の借金が大きく総額の半額以上の占めていれば、その1社が反対することで小規模個人再生は許可されないことになります。このようなケースも債権者主の許可がいらない給与所得者等再生を選択することになります。
給与所得者等再生で借金はどれだけ減るのかを解説します。
最後に個人再生の手続きで、どのくらい借金が減るのかをシミュレーションをいたします。。
まず、ご自身の借金の総額が1000万円のケースで考えてみましょう。
- ご自身の可処分所得額:年間200万円×2年分で400万円
- ご自身の最低弁済額:1000万円の5分の1の200万円
- ご自身が自己破産した場合に清算される財産:マイカーの売却額100万円
給与所得者等再生を利用するには、①可処分所得額の2年分、②最低弁済額、③清算価値保障のもっとも高い金額を基準に再生計画案を立てることになります。このケースで給与所得者等再生を申し立てると、最低でも400万円以上の再生計画案を提出しないと許可されません。
小規模個人再生は可処分所得額が考慮されないから最低弁済額の200万円まで減額される可能性があります。
このケースだと、給与所得者等再生の場合と比べると200万円も負担が軽くなる可能性があります。
個人再生の種類 | 返済すべき最低額 | 月々の弁済額(5年払い) |
給与所得者等再生 | 400万円 | 約6万6千円 |
小規模個人再生 | 200万円 | 約3万3千円 |
個人再生後の月々の返済額を比べると、給与所得者等再生より小規模個人再生の方が約半分になり、約3万3千円も軽い負担で済むことになるりますので、この差はかなり大きくなります。
ここまでの解説で理解できたと思いますが、個人再生の手続きでは、まず小規模個人再生を考えて、それが難しい場合には給与所得者等再生を検討することになります。
どうでしょう、個人再生の手続きの1種である給与所得者等再生についての理解は深まりましたでしょうか?
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それでは、ここまでで今回のコラム「借金の大幅な減額ができる個人再生の給与所得者等再生を解説します!」というテーマの解説は以上になります。
それでは、久我山左近でした。